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「不動産ビジネス 成功への道」
-第171回-
利益相反への意識の高まり
インターネットの記事で、「マンションの大規模修繕工事は、本当に、12年周期で行うべきなのか」という問いかけのものがありました。
国土交通省のガイドラインで12年程度という表現があるが、12年周期が望ましいとか言っているわけではなく、執筆者の会社では16〜17年周期で、12年周期は工事をできるだけ多く受注したい管理会社等が広めているものではないか、というものでした。
本来、管理組合の立場で助言すべき管理会社が、工事の受注によって利益を得る。これは、利益相反関係にあります。
また、ある不動産関係の会社の管理職の方との雑談の中で、その会社の役員から、“ワンストップ・サービスということを売り込み、最初から最後まで、受注できるように囲い込め”と言われているという話がありました。
ワンストップ・サービスは、お客様のためではなく、自社のためということです。発注者(お客様のはずですが・・・)から選択の自由を奪え、ということですね。
利益相反については、先日、不動産会社の経営企画の部署の方から、最近、利益相反の問題が話題になっている、という話を聞きました。
私のクライアントにも、不動産の運営において、利益相反を防止するために、対策を取っている会社があります。
最近、各種報道で、年配の人々の発言が、世の中とズレているなあと感じることが多々あります。
ビジネスの仕方も、時代に応じて変化します。
昔は、利益相反であっても、あまり問題にされにくかったけれど、今後は、利益相反にならないような仕組みを取り入れる会社は増えてくるのだと思います。