更新
「不動産ビジネス 成功への道」
-第172回-
他の事業より良く見えがち。
大手不動産会社の前期決算が好調という報道がありました。
特に、大都市の賃貸オフィスの空室率は過去と比べてとても低い水準。賃料もバブル期ほどではないとしても、値上げ可能というビルも多いようです。
このような業界全体の好況で決算が良いというのは、他の業界でも同じ。
しかし、実は、賃貸不動産特有のからくりがあります。
それは・・・
会計制度上の仕組みによるもの。
それは、費用化されない原価があるから。
仕入れても、50年、100年、所有している間は、費用として計上しなくてよいものがあるから。
それが、土地。
10億円の賃貸オフィスビルを持っていて、そのうち8億円が土地としましょう。それを貸して1億円の賃貸収入を生み出しても、売上を生み出す大きな要素である土地8億円については、まったく費用として計上しません。含み損益として、売るときまで会計上は出てきません。
賃貸不動産の時価会計が導入されたといっても、全体としての注書きで、個々の不動産の状態はわかりません。
つまり、あなたが副業として賃貸不動産事業を行うときは、他の事業と不動産賃貸事業の会計上の仕組みの違いを踏まえて、その事業の状態を判断しなければならないのです。