更新
「不動産ビジネス 成功への道」
-第137回-
地面師。
8月2日、積水ハウスから、「分譲マンション用地の購入に関する取引事故につきまして」と題するニュースリリースがありました。
分譲マンション用地として東京都内の不動産を買って、代金を払ったけど所有権移転登記ができなかった。現在、所有者と連絡が取れないというものです。
この取引は、積水ハウスへの売主が、元々の所有者から購入して直ちに積水ハウスに転売する形式です。
登記申請の書類にニセの書類があって申請が却下され、所有者と連絡が取れなくなったのです。
支払った額、63億円。購入金額70億円の90%。
土地面積約2,000㎡。公表資料に具体的な場所の記載はありませんが、様々な情報を合わせると、場所はJR山手線の五反田駅から約3分の旅館だったところのようで、今は、相続登記がされているということです。元々の所有者で、長らく旅館の女将をしていた方は、死亡した。
63億円を支払ったのが6月1日ですから、2か月経っています。地面師たちは、すでに、使うなり、何らかの手を打っているでしょう。
今回は、転売する人にだまされて失敗したケースですが、所有者からの直接売買でだまされた事件もあります。
不動産のプロでも騙されています。万全な対策というのはないのかもしれません。できることは、ひとつひとつ、手順を踏んで書類と現地で、確認することでしょう。