“不動産投資で、大金が貯まった。”という話をされている方がいます。

しかし、“不動産投資が成功したか”というと、そうとは限らないことに気を付けなければなりません。

いわゆる、“投資の成否は売却してみないとわからない”というのも一つの理由です。

そして、不動産投資が株式等の有価証券とは違う点があります。

それは、減価償却があること。

減価償却費は、損益計算では費用となります。しかし、現金支出はありません。

そのため、その分、お金が手元に残ります。仮に、損益計算では赤字であっても、手元に現金が残るということがありえます。

しかし、損益で赤字ということは、賃貸事業としては成り立っていないことを意味します。

自己資金で投資したのであれば、投資回収が進んでいないのです。借り入れたのであれば、借入期間等の条件とのギャップが、お金が貯まっている原因の一つです。

売却時に、それらのギャップを解消することは可能かもしれません。

しかし、今後、そのような物件は少ないだろうと思います。

建物本体と設備では、耐用年数つまり償却期間が大きく異なります。そのため、設備の償却が終わった後に、減価償却は大幅に減ります。つまり、利益が増え、現金収入が減る。ここが一つのチェックポイントです。そして、耐用年数が終わるということは、設備投資が必要な時期に来ているということ。投資資金が必要です。