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「不動産ビジネス 成功への道」
-第98回-
適切な助言を得るために。
賃貸オフィスビルや賃貸マンションの取得や運営、そして売却では、様々な悩み、問題が発生します。
その解決や判断のため、専門家の力を借りることがあります。
そのとき、相談する専門家は誰でしょうか?
これについて、このコラム第49回「ブレーンとその使い方」でお伝えしました。ある専門分野に詳しい専門家(ブレーン)と経営視点でのブレーン。たとえば、空調設備の取り替え時期に来ているからといって、空調の専門家に聞けば良いのか。建物全体としての商品力という観点からの検討が先ではないか。まず、この判断が必要。
内容に応じて、誰に聞くか、これを適切に選択する。
そして、同じように重要なことがあります。
“適切な質問をする。”
抽象的・あいまいな質問では、回答する方は、抽象的・ばくぜんとした回答しかできません。質問に応じた助言を受けることになります。
しかし、適切な質問ができること自体、その人に高い専門性があるということです。
まず、状況を正確に把握することで、問題となる部分が見えてきます。これは、不動産であれば、不動産のことをよく知っていることで初めて可能です。
どこに本質的な問題があるか。実は、相談する側が理解していないこともあるのではないでしょうか。
体の具合が悪いときに、お医者さんに診てもらうのと同じです。
切り傷など、素人が見ても明らかなものは、問題がどこにあるかわかります。
しかし、そうでないことが多いでしょう。
私たちは、身体の専門家ではありません。
そのため、どこに問題があるかは、お医者さんが、問診や検査をしながら絞り込んでいきます。
私が不動産のコンサルティングをするときも、お客様の意向をうかがいます。そして、お医者さんでいえば問診などを行います。
そうすることではじめて、手をつけるべき問題点がわかる。
お客様が考えていたこと以外に、本質的な原因があった。
このようなこともあります。
適切な質問ができるか。
そうでないと思うなら、相談する際、自分が考える悩み・問題とともに、その不動産の状態、事実関係を正しく伝える。
このようにすることで、より適切な助言が得られることでしょう。