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「不動産ビジネス 成功への道」
-第79回-
不動産経営の7つの鉄則(その2)
不動産経営で「これだけは押さえたい」ということを7つに絞ってご紹介するシリーズの第2回目「競合する建物を知る」。
なぜ、競合する建物を知ることが鉄則なのでしょうか。
それは、他の商品やサービスと同じで、お客様であるテナント又は入居者は、あなたが所有するオフィスビル又はマンションと似たようなものと比較して、あなたが所有するオフィスなどを選ぶからです。
そして、「競合する建物を知る」という言葉には2つの意味があります。
一つは、「商品としての競合建物の内容を知る」
もう一つは、「どの建物が競合するかを知る」
※以下では、オフィスビルを例にして説明します。
まず、「商品としての競合建物の内容を知る」。
オフィスビルは、企業がビジネスをする空間を提供します。
この空間は具体的には、外観・内装等のデザインや設備の性能等が組み合わさったものです。
比較する内容は、たとえば、車で考えてもらえば判りやすいでしょう。
車を買いたいというとき、色々なことを比較しますね。これと同じです。
つまり、あなたが所有するオフィスビルが、他のビルと比較して、何が良く、何が劣っているのかを知ることになります。
これが、競争力を知るための基本です。
そして、このことは、お持ちのビルの“売り”を見つけることにもなります。
もうひとつの「どの建物が競合するかを知る」。
一口に「オフィスビル」といっても、その大きさが違えば、競合しないことが多くなります。また、大きさが同じでも、立地が離れていれば競合しない可能性が高くなります。
つまり、あなたのビルを選ぶテナント企業は、どのビルと比較するであろうかということです。
競合する建物(ビル)を知らないということは、ビルとして必要な商品の内容(デザイン・性能等)を見落とす懸念があります。
そのため、競合する建物を知るということが、鉄則です。
世の中には、「この商品でなければならない」という商品があります。しかし、ほとんどの商品には似たようなものがあります。
不動産も同じです。その中で、いかにお客様に選ばれるものにするか。
そして、これらのハード面に加えて、賃貸オフィスビルで提供するサービス面があります。これも、比較できれば、より深く知ることができます。