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「不動産ビジネス 成功への道」
-第66回-
電力自由化で、安くなったら・・・
電力の小売りが4月から全面的に自由化されることで、話題になっています。
今回、自由化されるものには、家庭の電力があります。電力と通信のセット割なども出てきて、宣伝も多くなっています。
様々な会社が新規参入する予定で、今月8日時点、全国で169の小売電気事業者が4月から事業開始予定です。
ご存知のように、オフィスビルなどの電力は、特別高圧の大規模ビルから始まりましたが、契約電力50kW以上の高圧を使う中小ビルも、10年以上前に自由化されました。しかし、東京電力や関西電力などの従来からの電力会社ではない、新たに参入した新電力の全国でのシェアは、2014年度で5.2%です。このため、これまで、あまり話題にならなかったのでしょう。
しかし、これだけ世の中で電力の自由化が話題になると、貸ビルに入居しているテナントは、自社が使っているビルの電力料金についても関心が高まるのではないでしょうか。
貸ビルの電力は、いわば、電力会社からビルオーナーが仕入れ、それを各テナントに再販しています。
電力料金が安くなるということは、ビルオーナーの仕入れ値が安くなることです。
仕入れ値が安くなったので、テナントに再販する電力料金も安くするか。または、ビルオーナーのコスト削減努力として、コスト削減分は全てビルオーナーの利益とするか。ビルオーナーの考え方が現れます。これは、いずれ、テナントも気付きます。
また、ビルオーナーが電力会社の見直し検討をしないのであれば、テナントは、“なぜ、見直しをしないのか。他にも経営努力をしていないのではないか・・・”と思うのではないでしょうか。
どの電力会社を使うかは、ビルの状況により変わるでしょう。
電力全面自由化で、世の中の人の関心が高まった、今、電力をテナントに再販していることもありますので、どの電力会社を選ぶか、ビルオーナーも検討が必要です。