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「不動産ビジネス 成功への道」

-第65回-
委託業務を成果報酬型にする前に

先日、様々な分野のコンサルタントが集まる場で、成功報酬型の話題がありました。そして、翌日には、私がクライアントとの打合せの場で、「成功報酬型はとれますか?」という話がありました。2日続けて、業務の対価としての成功報酬型の話題がでましたので、今回は、成功報酬型の業務受委託について。

不動産に関する委託業務には、様々なものがあり、内容によって、

  A.完全固定

  B.固定+成功報酬

  C.完全成功報酬

が使われています。

仲介業務は、完全報酬型の代表的なものですね。成約して初めて、仲介会社は報酬を受け取ることができます。

設備点検業務は、点検内容により仕様・金額は変わりますが、契約金額が定められた、完全固定型の代表的なものです。

プロパティマネジメント業務では、固定+成功報酬型もあります。

 

収益を最大化させるために、成功報酬型は一見、よさそうですが、少なくとも、以下のことを頭に入れて、その業務に成功報酬型を採用するか、判断したほうがよいです。

 

(1)長期の収益最大化ではなく、短期の収益最大化に向かいがち。

何をもって“成功”とするか、これをオーナー(委託者)が明確にできるか。

長期的に収益を大きくしたいのに、業務の成功の指標が、短期的な成果を求めるものだと、委託先の会社は、本来ビルオーナーが目指したい方向と違った動きをします。

たとえば、空室にテナントを誘致するというとき。テナントの質のチェックが緩くなる、本来の相場賃料より低い等の条件で決めるということがありえます。また、その年度の収益を高めるため、必要な修繕を先延ばしするというようなことがありえます。

このように、委託者であるビルオーナーとしては、目指したいことが達成できる成果が何か、委託先の活動が意図するものであるかをチェックできるか、を確認しなければなりません。

 

(2)何も変わらず時間だけが過ぎるリスク

完全成功報酬というとき、その仕事に取り組む業務委託先は、活動するもしないも、自己判断でよいということになります。成功の見込みが小さければ、委託先は、その業務を後回しにする可能性が高くなります。

また、業務委託先と自社が協力して取り組まなければならない内容で、自社の取り組みが真剣に行われるか、という懸念があります。特に、“現状が変わる”内容の業務では、それ自体、自社内を含め、関係者の抵抗が大きくなりがちです。

委託する方は、リスクフリーと考えがちですが、実は、何も成果が出ないまま、時間だけがすぎたというリスクがあります。

 

委託先は、信頼関係に基づき行動するとしても、自分たちの活動が正当に評価されるかを考えます。あなたは、委託する仕事の内容に応じた使い分けをしていますか?