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「不動産ビジネス 成功への道」
-第13回-
安心を売る。
イスラム過激派組織に捕らわれていた日本人2人が殺害されました。2年前にはアルジェリアで過激派組織に800人以上が拘束された人質事件で30人以上死亡、うち日本人は10人いました。
今回の事件は、過激派組織による日本人への警告があり、日本政府は、日本国内と海外でのテロへの対応を強化するとしました。
安全を確保する体制を強化しても、安心感が増すかはわかりません。
安心感は受け取る側の気持ちの問題です。
さて、ビル経営において、安全・安心面で特に話題になるのは、ビルのセキュリティ、地震と火災です。
特に、地震と火災は、どちらも、人命に関わることです。
4年前の東北地方太平洋沖地震は日中に起き、首都圏でも揺れは大きく、交通はほぼストップしました。
特に、築年が古い建物では、テナントの不安感は大きかったと思います。
たまたま私が訪問していたビルは、築年が古く、耐震補強をしていたのですが、揺れが大きく、システム天井の一部が落下しそうな状態になりました。
地震発生後、あなたのビルでは、どのような対応をしましたか?
入居時などに地震に対する建物の安全性についてテナントに伝えていても、テナントの不安をやわらげるために、地震後に伝えましたか。
テナントの安全確認を行いましたか。
テナントがビルオーナーの地震後の対応に不満をいだき、その後、退去したという話もありました。
そのビルを使い続けることに対する不安感が高まったからです。
地震や火災のときに、ビルオーナーがどのように対応するのかを決めておかないと、このような非常時に適切に対応できません。
予め、建物というハードだけでなく、どのように運営しているかというソフト面も含めて、ビルの安全性をテナントに説明し、安心感を高めてもらうことが大切です。