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「不動産ビジネス 成功への道」
-第209回-
分譲マンション。やはり・・・
マンションの電力料金を削減するため、個別の住戸の契約でなく、マンション全体として契約する一括受電があります。電気料金の単価が違うので、安くなります。電力自由化により始まり、導入するマンションが増えてきました。
導入にあたり、個別契約であったマンションが一括受電するには、すべての住戸が、それまでの個別契約を解約しなければなりません。
札幌の総戸数544戸(5棟)のマンションで、専有部分の電力料金を削減するため、一括受電方式に変更することを規約で義務付けました。
しかし、個別契約を解約しない人がいるため、電気料金が削減されないという損害を受けたとして、裁判になっていました。
これについて、最高裁判所の判決が今月5日にありました。
主なポイントは、専有部分である個別の住戸の電気の契約は、専有部分の使用に関することであって、規約の効力はないということ。
その理由は、一括受電への変更は専有部分の電力料金削減のためであり、電力の個別契約を解約するかしないかだけでは、他の人の専有部分の使用や共用部分の管理に支障がでるわけでないというものです。5人の裁判官全員の一致。
料金が下がるというメリットがあっても、賛成しない人がいる。世の中、様々な人がいます。あらためて、マンションだけでなく、区分所有建物は、所有者みんなのものということを認識させられた事案です。
区分所有建物を所有する際に気を付けておくべき重要ポイントの一つです。