更新
「不動産ビジネス 成功への道」
-第130回-
用心。心地よい言葉への言い換え
「デザイン・ビルド」
この言葉、聞いたことがありますか?
なんとなく、響の良い言葉です。
「設計・施工の一括発注」
聞いた印象は、どうでしょうか。
この2つ。実態は同じことを言っている可能性が高いです。
おおまかに言えば、設計と工事(施工)を一括して同じ会社に発注する方式です。
建設会社への設計・施工の一括発注は、建設会社の設計力が高ければ、設計事務所以上に現場の施工を配慮した設計をできます。これに伴い、工事期間が短くできる可能性があります。また、建設会社の技術を活かしやすくなります。
一方、施主(発注者)の意図する建物が、設計どおりに建設されているか、建築コストが適切か、このチェックを建設会社の社内で行うことになります。
設計も大切ですが、設計どおりに建物が建設されているか。もし、社内のチェックで、工事が設計どおりに行われていないことが判明した場合、手戻り、建設会社の負担工事費が増えても、修正することができるのか。これは、建設会社の中で判断することとなります。
設計と施工が別会社で行う分離発注の場合、設計事務所によるチェックが働きます。
「設計・施工一括発注」と言わず、「デザイン・ビルド」というとなんとなく、新しい方式で、良さそうに聞こえるかもしれません。
しかし、単に言葉の言い換えで、実態は変わっていないこともありえます。
「デザイン・ビルド」は一例ですが、言葉だけでなく、その内容、本質は、どのようなものか。その良い面、悪い面を確認し、悪い面にどのように対処するか。
聞こえの良い言葉は、特に、これらを確認、考えたうえで判断してはいかがでしょうか。