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「不動産ビジネス 成功への道」
-第99回-
その不動産のリスクは何?
このコラムの第99回です。99(キュー・キュー)ということで、救急の文字が頭に浮かびました。
そこで、今回は、リスクについて。
ここでは、「将来発生する可能性のある危険」という意味と考えてください。
避けられるなら、避けたい緊急事態。
この事態を避けるには、事前のリスク管理が肝心です。
そのためには、まず、リスクがどこにあるかを知っておくこと。
他の事業と同じように、不動産賃貸業でも、様々なリスクがあります。
これに気付くためには、この事業に詳しいことが望ましい。
しかし、それでも、すべてのリスクに気付くとは限りません。リスク把握の抜けを少なくするためには、いくつかの切り口で事業を区分し、その中で考えることが有効です。
区分する切り口には、いろいろなものがあります。
今回、一つの例をご紹介します。
2つの切り口で区分けし、その中で考える方法です。
(これで、紙に書き出し、検討しやすくなります。)
一つ目は、時系列で考える。
それは、取得時・建築時・賃貸中・売却時というもの。
二つ目は、事業を行う環境(事業の構成要素)という切り口。
売買市場・賃貸市場といった市場の視点。
借地借家法、建築基準法、消防法など法令の視点。
テナントに関する視点。
ビルの商品性の視点。
これらで仕分けした、各マスの中で、リスクとなりそうなものを書き出す。
この手順で行うことで、リスクの洗い出しがしやすくなります。
たとえば、建築時で法令の視点では、許認可が予定より大幅に遅れるということがあります。また、賃貸中の市場の視点では、想定賃料の大幅な下落があります。
このリスクへの対処法は、このコラムの第56回「リスクへの事前対処法」で取り上げています。