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「不動産ビジネス 成功への道」
-第97回-
建物人生の岐路
今から25年前は1991年。バブル期です。
株価は前年末が最高値でしたが、実感としてはまだ景気が良い状態でした。
その頃、オフィスビルが数多く、建築されました。
大型ビルだけでなく、中小のビルもこの頃、大量に建築されました。
そして、今。
その頃に建築された建物は、築20年〜30年になります。
新築の時とは、様々なことが変わりました。
元気の良い業種、仕事の仕方・・・。
立地環境などが変化したかもしれません。
そして、
建物自体、大規模な修繕が必要になる時期となりました。
あなたが所有する建物が、同じような状態であるなら、大きな選択をする時期に来ています。
どれを選ぶかで、これからの事業が大きく変わります。
・このままの用途で手入れしながら使うのか。
・用途を見直す、建て替えるなど、大きく変化させるのか。
・売却するのか。
5〜6年ほど前から、これらの時期に建築した建物をお持ちの企業から、オフィスビルやマンションの今後について、助言を求められるようになりました。
同じ時期に建てられても、その後、20〜30年の間に、立地の状況、建物の状態、テナントの状況など、それぞれ違います。
そのため、新築を計画するとき以上に、手順を踏んだ検討が必要です。
地域の将来、競合する建物、テナントとの契約内容等、これらを理解したうえで行います。一つ一つを踏まえた検討でないと、手戻りが生じかねません。
また、社外の誰かと検討するのであれば、相談する相手が適切か否かも考えましょう。
ある選択肢を選ぶことで、相談相手に何らかのメリットが生じるのであれば、不適切かもしれません。
最終的には、市場・建物・各種契約・税等の状況を踏まえた、総合的な判断をすることになります。
どれを選択するかにより、損益・現金収支に大きく影響がある判断です。
納得いく検討をしたうえで、判断してください。