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「不動産ビジネス 成功への道」
-第76回-
浮き袋
先日、事業承継のコンサルタントの方から話を聞く機会がありました。
話題の中心は、老舗の事業承継。
ある調査によると、日本の老舗には清酒製造や旅館などが多いそうです。
今回の話題は、旅館。
老舗の事業承継で、不動産の扱いも大きなポイントになるという話です。
私から、
「老舗ほど、景気の波を何度もくぐってきているので、賃貸不動産を持っていれば、それで救われたこともあるのではないか?」
という質問をしました。
他の業種の話をされていましたが、
やはり、そのようなことがあるそうです。
老舗でなくても、本業が不振の時期があります。
賃貸不動産が、その時の“浮き袋”の役割を果たしてきた。
今後も、景気の波は、ほぼ間違いなくあるでしょう。
その時、浮き袋となる事業が何かあれば、経営者の安心感は高い。
賃貸不動産事業もその一つになりえます。
危なっかしい浮き袋か、
それとも、
大きな安定感のある浮き袋か。
大きな安定感のある浮き袋でも、
定期的な見直しと手入れが欠かせません。
これから新たに手に入れるのであれば、物件の見極めが大切です。
どちらにしても、
事業性について予測し、対応を決めるという手順になります。
先ほどの旅館の話で、詳しい状況は聞いておりませんが、
旅館の営業成績と財務の概要から、建物への投資が大きすぎたのではないかと思われる節がありました。
余談ですが、
老舗になるほど、関係する親戚筋が増えます。これも、事業の方向転換等を難しくする原因になることがあります。