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「不動産ビジネス 成功への道」

-第77回-
タックスヘイブンと不動産

先月から、「パナマ文書」が話題になっています。

この文書は、南米パナマの法律事務所から漏れた、タックスヘイブンでの会社設立に関する内部文書(メールや文書)。タックスヘイブンは租税回避地と言われ、法人税や所得税の税率がゼロか極めて低い国や地域です。

脱税やマネーロンダリング(資金洗浄)の温床になると言われてきました。

 

実は、タックスヘイブンは、日本の不動産の売買に関係する仕組みとして、2000年前後(と思いますが)から使われてきました。

というのも、所有不動産を売却するときの不動産証券化で、その売却先であり、同時に、投資家の投資先として、ペーパー・カンパニーを設立してきたのです。

悪用という意識はなかったのではないでしょうか。

不動産証券化の代表的な仕組みとして、いろいろなところで紹介されています。

 

なぜ、タックスヘイブンにペーパー・カンパニーを設立したか。

大きな理由は2つあります。

ひとつめは、パナマ文書でも話題になっている「税負担を減らす目的」

日本で、不動産を所有する会社に投資すると、まず、その会社の利益に課税されます。株主は税引後利益から配当を受け取りますが、受け取った配当にも課税されます。二重課税されるという認識です。

これを避けるために、法人に対する利益に課税されないようにしたということ。

投資家の利益を高めるためです。J-REITも、法人に対する課税はされず、二重課税を避けるということでは、同じ仕組みです。

 

ふたつめは、不動産を売却した会社が、その後で倒産した時に、管財人等から売買を否定されることを防止するなどの理由です。

売買を否定されると、投資家にとっては、買った不動産を取り上げられることになってしまします。

これらを避けるため、日本にはなく欧米にある制度で、慈善信託(チャリタブル・トラスト)というものがあり、これを使ったのです。

 

適法ではありますが、本来は取れる税金が減る、お金の出元をわかりにくくするということになる、という批判はあります。

しかし、どのような制度も、“誰がどのように使うか”によって良い面もあれば、悪い面もあるのではないでしょうか