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「不動産ビジネス 成功への道」
-第50回-
会って話す。ここが基本。
昔、フジテレビで「北の国から」というドラマがありました。
主人公は田中邦衛さん演じる黒板五郎。東京から北海道の富良野に戻り、幼馴染の仕事を手伝い、作物を育て、そして、地元の人の協力も得ながら、自分で家を建て、水をひき、風で電気をおこすという生活です。地元の人々との人間関係、大自然がドラマの中心にあります。
1981年10月から翌年3月まで、連続ドラマとして放送され、その後、2002年まで、数年に一度、スペシャル版が放送されました。
その中で、“会う”ということの大切さが描かれている場面があります。2002年の放送のときの話だと思いますが、五郎と五郎の義理の妹(雪子)の息子との会話です。息子は20才前後と思われます。
この息子は、両親の離婚後、おばあちゃんっ子ということで、東京に残り、雪子は富良野で暮らしていました。
ある日、この息子が富良野を訪ねてきます。いつも、携帯電話を操作している。しばらくして、富良野に来た理由がわかりました。
“恋人と、富良野で会うことになっており、待っている”
ということです。
実は、息子がいう、この“恋人”。会ったこともなければ、会話をしたこともない。携帯電話のメールでやりとりをしているだけ。このような関係でも、息子は“恋人”だというのです。
五郎は、“会ったこともなければ、会話をしたこともない、これは恋人とは言わない。会って話をし、体温を感じる、このような関係があって恋人といえる。”と。
息子は“時代が違う。古い”と言い、話は平行線でした。
(2人は、このような感じのことを話していたように思います)
結局、息子が待っていた人は現れず、息子は東京に帰りました。
インターネットが使えるようになり、コンピューターの性能が上がり、情報処理が進歩して、とても便利になりました。
これを補助的な手段として使うことは大切なことです。
しかし、直接会って話をするからこそ、人間関係は作られ、深まるのだと思います。
長く続ける商売の基本も同じではないでしょうか。
日々のビル運営でも、様々なことが、お客様であるテナントと会わなくても処理できるようになりました。
たとえば、顧客満足度調査。インターネットを使ったアンケートも可能ではあります。しかし、まずは、常日頃、テナントと会って話をする。会うからこそ、相手の表情、口調など、五感で感じることができます。これが、本当の顧客満足度を知る方法だと思います。そして、直接会えない人の意見を聞くなど、補助的な手段としてインターネットなどの機械を利用する。
本来の姿、補助としての手段、これを押さえて経営する。
コラム第50回という区切りの回だと思い、原点に立ち返って考えました。