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「不動産ビジネス 成功への道」
-第51回-
一つ星、二つ星
先日、資産運用を行っている会社で、不動産投資・運用部門を担当している方から、私が書いた最新刊「これからのビル経営」を読んだ感想をいただきました。
その方の会社は、不動産のプロパティマネジメント(PM)は外部の会社に委託し、そのPM会社から、ビル運営上の各種業務を再委託しています。今年度から、PM業務をはじめとしたビル運営の全面見直しを始めています。
その方との打合せが済み、帰るときに、本の感想をいただきました。
「三つ星オフィスビルになるのは、なかなか難しいですね」。
確かに、三つ星オフィスビルは、ホテルでいえば超高級ホテルに相当します。
まずは、立地条件があります。その中でも、家賃負担力の高い知的生産性の高い企業をテナントとして考えるビルです。
本では、三つ星オフィスビルというコンセプトを掲げたため触れておりませんが、どのようなビルであっても、どのようなビルを目指すかを決めた後は、以下の4つの柱でビル経営を構築することは、同じです。
・どのようなビルを創るか(建物・設備の企画)
・サービス業という面を整備する(サービスの企画)
・日々の運営を確実に行う(運営の仕組み)
・お金の動きを知る(財務)
また、「三つ星オフィスビルに、“一つ星”とか、“二つ星”はあるのですか?」と聞かれることがあります。
私が「三つ星オフィスビル」というコンセプトを創ったのは、“そのビル、いいな”と直感で思ってもらえると考えたからです。
格付けで考えたのではないため、一つ星・二つ星のオフィスビルというものは考えておりません。
貸ビル業を商売として考えると、それぞれのビルの立地・想定テナントにあった、顧客であるテナントの視点を踏まえたビル経営があると考えます。
あなたがお持ちのビルも、テナントの視点から、そして、先ほどの4つの視点から再検討してはいかがでしょうか。