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「不動産ビジネス 成功への道」
-第206回-
今の時代の品質確保策
レオパレス21が施工した多数のアパートで、天井の空間で住戸間を仕切る壁(界壁)が設置されていない等の状態にあったことが話題になっています。
同社のホームページでは、これに対する見解が書かれています。発生原因は調査中としていますが、現時点では、図面と施工マニュアルの整合性の不備、社内検査体制の不備であると考えられるということです。
しかし、アパートで、天井裏に界壁がなければ、現場にいる人は分かりそうなもの。それを、誰も気が付かないということがあるのでしょうか。しかも、このような物件が多数あるというのです。
そうは言っても、現実に起きていること。しかも、建築以外でも、近年、大企業で、改ざんなど、本来の品質でないものを顧客に渡していることが、続々と判明しています。
これは、携わっている人が、何のために仕事をしているかを忘れてしまっている、顧客に対し顔が見えない仕事をしているからではないでしょうか。
では、発注者として、どのように対処すればよいか?
それは、大切な部分は、自らチェックする。自分でチェックできないなら、それができる第三者に委託することです。費用はかかりますが、防衛費です。たとえば、アパート建築であれば、施工会社と関係のない、現場をチェックできる建築士がチェックするなら、施工は本来の状態で行われるでしょう。
著名な大手上場企業でも安心できない時代です。“一括委託は楽”と思うかもしれませんが、丸投げにならないように、自己防衛するしかありません。