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「不動産ビジネス 成功への道」
-第118回-
購入目的と価格
東京都心では、高額マンションの売れ行きが悪くなってきたという話も聞きますが、ここしばらく、マンション価格が上昇してきました。
資産家は、他の適当な投資先がない、価格が上がるのではないかなどの思惑から、マンション購入に向かっているようです。
このような方々が購入するマンションは、実際に自分が住むのではありません。自分が住むことを実需とすると、これは純粋な投資物件です。
多くの方は、自分が住むためにマンションを買います。この実需に基づく価格は、実際の購入者が自分の支払い能力を基準に価格を考えます。
この実需に基づくマンション価格と投資目的のマンション価格とは、同じ“マンション”ですが、価格の妥当性を考える視点を変えなくてはなりません。
投資物件では、儲けを考えて購入します。これは、月々の収支差(賃料等から管理費等を差し引いたもの)と売却時の収支差(簡単にいえば、売却損益)とがあります。
投資として高額マンションを購入する場合、特に気を付けたいことの一つは、株式と同じです。高値づかみをしないこと。
単に、他の分譲マンションの価格との比較だけで考えると、判断を間違える可能性が高くなります。1990年前後のバブル期の土地と同じ状況です。他のマンションとの比較に加え、おさえとして、賃貸を想定した場合の価格を計算し、これも参考に価格を考える必要があります。
そのほか、しばらく所有して転売するという場合、検討すべき視点が変わります。
一口に“マンション”といっても、購入目的で価格を検討する視点は変わります。
そのうえで、何のために買うのか、何を重視するかを考え、判断してはいかがでしょうか。