建物一棟を丸ごと一人（社）に賃貸する“一棟貸し”があります。

 

あなたが見聞きするものの多くは、アパートなどで、建物建築後、建物所有者が一棟丸ごとサブリース会社に賃貸し、その会社が実際にアパート等を使用する個人に転貸するものではないでしょうか。

 

これとは別に、建物規模の大小はありますが、物販や飲食向けの店舗やオフィスビルを、一棟丸ごと使う会社に貸すこともあります。

この場合、物販や飲食店等として建物を使いたい会社から依頼があり、その会社向けの建物仕様とするとき、特に注意することがあります。

それは、その会社が撤退することとなった場合のリスクです。これを検討し、その対策を取っていない例を見聞きします。

 

先日、ある方との話の中で、ある著名な飲食店に建物を新築し一棟賃貸するということが話題に出ました。話を聞くと、その飲食店が撤退した場合、立地を考えると、後継テナントを見つけるが難しいのではないかと思われました。テナントが撤退した際のことを想定したリスク対処をした上で、建築・賃貸することが必要です。

 

一棟貸しでのリスクの内容や程度は、立地や建物仕様等によって異なります。著名な会社が一棟借りてくれるからと安心せずに、建物を建築し、賃貸することのリスクをきちんと認識し対処を取ることが不可欠です。