更新
「不動産ビジネス 成功への道」
-第101回-
一見、良さそうに見えますが・・・
先日、2年前に相談のあった方からの再度の依頼がありました。
その方は、自分の土地の一部を、隣地の賃貸マンションの所有者に貸しています。貸している土地の上には、マンションの設備室(別棟)や塀があります。
2年前に、この老朽化したマンションを5年以内に取り壊し、貸している土地を返してもらうことで合意しました。
今回の相談は、マンション所有者から、マンションを売却することになり、今後のことについて提案があったというものです。
マンションの管理会社でもある不動産仲介会社を通しての提案です。
土地返還までの手順を記した書面があります。
“これで良いと思うのだけど、念のため、内容を確認して欲しい”とのこと。
書面は、今後の段取りについて、小屋の取り壊し、土地返却に際しての塀の設置など、スケジュールを含め、細かく書いてありました。
私に相談された方は、小屋が壊され、土地が戻ってくるなら、これで良いだろうと思ったようです。
しかし、この計画ではNO。
なぜなら、現在のマンションをリフォームして使い続けるというものだったからです。
このマンショは、現在のままだと、マンションの敷地として、貸地部分が必要なのです。小屋を取り壊しても、マンションの敷地という状態が続くのです。
つまり、外見的には、返してもらった土地を自由に使えるように見えても、実態は以前と同じ。
このような“一見良さそうに見えるけど、実際は違う”という話があります。
不動産の関係では、一見儲かりそうに見える投資案件など、“一見良さそうに見える話”があります。
その多くは、手順を踏んで考えると、実態がわかります。今回の例のように、取引仲介の専門家が、極めて基本的なことを見落としていることもあります。
重要なことでは、第三者から意見をもらうことも、一つの対策です。