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「不動産ビジネス 成功への道」
-第95回-
まず”形”を理解する。
武道をはじめとして様々な分野で、「形(かた)」があります。
私自身は、一つの武道しかしておりませんので、
すべてにつながるか、わかりません。
おそらく同じであろうと思いますが、
最初は、“形を覚える”ことから始まります。
この“形を覚える”ことは、不動産経営のそれぞれの仕事でも同じです。
たとえば、依頼者から賃貸借契約書を拝見することがあります。
その中で、“?”と思うことがあります。
諸事情で、そのテナントとだけの取り決めというならわかります。
そうではなく、それを基本としている。
特に、古くから不動産賃貸を行ってきた会社で見かけます。
たとえば、最近の例では、
周辺の同じような建物で更新料の受け取りがあるけれども、その取り決めがない。
テナントに守ってもらわなくてはならない“建物使用に関するルール”ついて、取り決めがない。
これらは、本来得られる収益を逸している、建物の運営に支障をきたすことにつながります。
賃貸借契約書の“形”を理解していないことが原因です。
単に、形、つまり、標準的な賃貸借契約書を真似するだけでは不十分。
賃貸借契約書で決めておく事項は何か。
それぞれの事項は、
“なぜ、決めておく必要があるのか”。
“どのような選択肢があるのか”。
その中で、“どの選択肢を選ぶのか”。
前例踏襲などで、これらを考えないまま契約すると、不十分な賃貸借契約書になってしまう可能性があります。
不動産経営に関わる他の仕事でも同じです。
一見同じように見えても、長い間の経営実務で差が出ます。
”形”は基本ですが、上級者こそ基本を大切にします。