更新
「不動産ビジネス 成功への道」
-第69回-
テナントの事業継続の前提となるビルのBCP
東日本大震災発生から5年が経ちました。
あの日、あなたは、どこで何をしていましたか?
昨夜のTVで、当時を振り返った特集があり、私は、当時のことを思い出していました。
地震の発生時、私は、あるビル管理会社にいました。
その会社の役員の方からビル内にいることを勧められ、地震後のその会社の対応を第三者の立場で見ることができました。
あの地震では、普段はわからない、ビルオーナー(管理会社も含め)の非常時の対応の差が、表に出ました。
その後、企業の事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)が話題となりました。
大地震などがあったとき、損害を最小限にとどめ、重要な仕事の継続、早期復旧を行うための計画です。
あなたが所有する貸ビルでも、BCPを作っているテナントがあるのではないでしょうか。
オフィスビルは、テナントの事業の拠点です。
テナントの事業拠点となるビルが使用できない状態だと、BCPの作成にかかわりなく、テナントの事業継続に大きな影響を与えます。
つまり、電気、ガス、水道、通信といった社会的インフラと同じように、建物は、入居企業にとって事業存続の基盤です。
災害の発生後、建物は使用できるのか、使用に制約があるのかということは、テナントにとって、自社の社員の安全や事業の継続に影響が大きいので、気になります。
あなたがお持ちのビルで、地震を含めた災害発生時の“初動”と“その後の対応”を、誰が、どのような手順で行うか。
そして、それらは、実行可能性が高いものか。
実行可能なものと思っていても、特に、大地震発生後は、同じような事態に直面しているビルが多いと思われます。専門業者への対応依頼が集中する可能性が高いことから、素早い対応が必要になります。自社の対応社員が確保できるかということもあります。
定期的に見直しをしているかもしれませんが、地震から5年。
テナントへの連絡・連携も含めて、この機会に確認してはいかがでしょうか。