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「不動産ビジネス 成功への道」
-第191回-
確認し、信用する
“おまかせで、見てないことが多いのじゃない”
長年、複数の管理会社などで働いてきた年配の方からの言葉です。会話の中で、不動産を所有している方は、どのような方法で、管理会社が物件に合った運用をしているか確認しているのでしょう、と聞いたときのことです。
先日、大手の会社が、地震等での建物の揺れを抑える免震・制振用のオイルダンパーの検査データを、基準に合うように書き換えていたということがニュースになりました。
“書き換え”や“不明”というのが986物件あり、マンション、オフィスビル、官庁の建物、橋など様々なものにわたり、しかも全国規模です。
少なくとも15年前から、改ざんが行われていた可能性が高く、書き換えした動機は、基準に不適合だと、分解と調整に時間がかかるということのようです。
ダンパーを採用して購入した人々は、その会社を信頼していた。
世の中の多くの商品やサービスは、相手の会社・社員を信頼して購入します。
一つには、信頼することにより、検証・確認する手間・時間などを省略できるというメリットがあります。
また、商品・サービスについて、検証等をするには専門性が高かったり、ブラックボックスであったりするので、妥当性を判断できないということもあるでしょう。
このところ、大企業や役所での、データの改ざん等のニュースが続いています。
マニュアルなどがあっても、それを運用するのは個々の人です。特に、大企業では、個人は会社の名前の陰に隠れがち。人の意識が変わらないと同じことは起きるでしょう。しかし、大きな船は舵を切っても、全体が変わるには時間がかかるように思います。
しかし、購入して利用する人は、それまで待つことはできません。
あなたが、不動産の管理を委託している場合も同じでしょう。
信頼して頼んでいる。
任された多くの会社は、信頼に応えようと日々取り組んでいると思います。しかし、すべての受託物件で実態が伴っているかは、わかりません。あなたが管理を委託している物件が、不動産ビジネスとして適切に運用されているか、事業の視点で、確認してはいかがでしょうか。