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「不動産ビジネス 成功への道」
-第174回-
第2の住専問題化か。危機管理。
前回、シェアハウス投資の問題をテーマに、投資するオーナーの事業性の確認不足を指摘しました。
今回は、投資資金を出す方。
つまり、オーナーに融資する側です。
シェアハウス事業が成り立たなくなっていること。これは、建設時の事業計画における賃料の受け取り見込みがほぼ無理ということから。
これは、融資した金融機関からすると、回収できなくなるということです。
これに似たようなことが、20年ほど前に起きました。
いわゆる、住専問題。
元々は、個人向け住宅ローンのために金融機関等の共同出資で設立された住宅専門金融会社ですが、不動産業向け融資を急拡大させ、バブル崩壊で巨額の損失を発生させました。住専への資金の出し手は、銀行と農林系金融機関です。つまり、金融機関の経営問題に発展しかねない事態となりました。
今回は、直接、銀行からの貸付です。特に、地方銀行が他の貸付先がなかなか見つからず、融資を増やすため、シェアハウスやアパート建設に向かったようです。昨年、金融庁が、アパート融資の際の投資採算性について、注意喚起していました。
他の地方銀行でも、同様の問題が潜んでいる可能性があります。地銀の再編は近年話題になっていますが、加速せざるをえないことになるかもしれません。
金融の変化は、経済全体に影響します。
不動産ビジネスの経営者にとって、危機管理の話です。
最近、アメフトの危険タックルでは、日本大学が対応を間違いました。
将来がどのようになるかは、わかりませんが、過去の同じようなことは、参考になります。
住専処理が、どのように不動産ビジネスに影響したか、振り返ってみてはいかがでしょうか。