更新
「不動産ビジネス 成功への道」
-第106回-
慣れ。
旅行で初めての場所に行くと、あちこち目が行きませんか。
色々なことに気付きます。
また、久しぶりに訪れる場所では、「変わったなあ」と感じることがあります。
一方、通勤で、毎日同じ時間に、同じルートを使うと、慣れて、あまり気にしなくなる。周囲の変化に意識が向かいにくくなります。
あなたが所有するビルも、自分では、その変化に気付きにくいものです。
先日、ある会社で賃貸不動産を担当されている方が「自分のビルは、このような状態だったのか」と気付いた、という話をされていました。
長らく入居しているテナントからオフィス移転の話があり、管理は外部の会社に委託しているのですが、直接、テナントの方に話を聞いたそうです。移転理由は諸々ありましたが、近隣のビルと比べて、見た目や設備の古さの指摘もあったとのこと。
実際に、近隣のビルと比べて考えると、確かに見劣りがしたというのです。
日々の運営を外部の会社に委託しており、委託先会社であなたのビルを担当する方が、経営の視点で運営してくれれば、商品性を考えて対応策を提示してくれるかもしれません。
しかし、そうでない場合、あなた自ら気付かなければ、気付かないまま日が過ぎます。
変化に気付くためには、ぬるま湯に熱湯を入れる。
新しいビルを見ることは、その一つ。
その他に、直接の利害関係のない第三者からの意見をもらうという方法もあります。
いわば、外部の物や人から刺激を受ける。
委託先会社や自社の担当者などは、外部からの刺激を好まないかもしれません。しかし、変化に気付かないと事業は衰退します。
現在、満室であっても、ビル市況は変化します。また、テナントの事業は変化します。
いつ空室が発生するかはわかりません。
変化への対応が必要なことは、他の商売と同じです。