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「不動産ビジネス 成功への道」
-第59回-
事業の不安を少なくする方法
先月下旬、ある研究所と大学の研究室とが共同で、主に、東京都心部を中心に不動産を保有するビルオーナーに対し、ビル経営に関する調査を行った結果が公表されました。アンケートの有効回答は298人。
その中で、ビル事業の今後の見通しについて、不安がある方は68.8%です。
貸ビル経営を事業と考えると、他の事業でも同じですが、経営者で何らかの不安を持たない人は少ないでしょう。
その不安の多くは、先が見えないことにあると思います。
では、その不安に、どのように対処するか。
それは、貸ビル業を事業(商売)としてとらえ、事業の全体像をしっかり把握し、そのうえで、それぞれの部分を予測し、対策を取る。これを定期的に行う。
当たり前のことと思われることでしょう。
しかし、頭でわかっていても、これを実行できているでしょうか。
お持ちのビルは、貸ビル市場で、どのような位置付けあるかを把握し、その位置付けに応じ、商品(ハード、ソフト)をどのようにするか、販売(新規誘致等)をどうするかなどの方針を決め、これを日々の運営に落とし込む。収支等の予測をする。
これらを、それぞれが繋がった経営(長期事業)計画として、紙に書き出し、考える。
何度も作り直さなくてはならないでしょう。
しかし、そうすることによって、お持ちのビルの状態がわかってきます。
つまり、どこに課題があり、何をしなくてはならないか、このようなことが浮かび上がります。
将来のことはわからないながらも、手掛かりが見えてきます。
この取り組みは、事業の発想ができる経営者と経営感覚をもった人ができることです。
普段と違い、年末年始でまとまった時間を取りやすくなります。
不安感を減らすために、自ら取り組んではいかがでしょうか。
また、不安感がない方も、もしかしたら、課題に気付いていないだけなのかもしれません。
ビル経営に自信をお持ちの方でも、経営(長期事業)計画を作っていないのであれば、作られることをお薦めします。