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「不動産ビジネス 成功への道」
-第39回-
決める力。
高額なモノやサービスを買うとき、本当にそれでよいか、と迷うことも多いと思います。特に、買う機会が少ないものは、自分の判断が正しいのか、できるだけ、判断材料がほしくなる。
これは、売り手にとっては、お客様が購入するための判断材料を提供すると良いといえます。
ブランド品は、ブランドが信頼性に裏付けられているため、判断材料を提供していることになります。それでも、高額になるほど、お客様は購入に迷うことでしょう。
このとき、お客様の背中を後押しする。
“決める力”です。
このことは、貸ビル経営でも、あります。
空室へのテナント募集で、企業の内覧後、あなたが所有するビルが、移転候補ビルに残った場合、企業の検討結果をただ待っているか、それとも、企業の移転先決定過程に協力して、移転先として決めるか、大きな違いです。
“なぜ、そのビルに決めるのか”
企業は、様々な理由で、入居ビルを決めます。
決めるまでは、あなたが所有するAビル、他のXビル、Yビル、どれにするか悩みます。
Aビルが良いと思っていても、“本当にAビルで良いのだろうか”と迷います。
その決断を後押しする材料を提供するのも、ビルオーナーの役割です。
その企業が移転したい理由、移転先を決めるポイントなど、これを把握し、それを的確に伝える。
仲介会社が行ってくれるかもしれませんが、あなたのビルのことを一番考えるのは、あなたしかいません。
あなた自身が、把握し、自分で用意する。
これが大切です。
また、社員数が多い企業等で、社内決裁手続きがあります。
移転検討会などで、他のビルと比較検討し、なぜ、Aビルで決めたいのかを説明し、了承を得て初めて、移転するビルが決まります。
あなたが所有するAビルが移転先の有力候補であれば、円滑にテナントの社内決裁が行われる資料作りに協力することも、空室を埋める力でもあります。
そして、ビルオーナーの協力をテナント企業の担当社員は覚えています。
入居後のビル運営にも良い影響が期待できます。