更新
「不動産ビジネス 成功への道」
-第37回-
問合せ先は、どこ?
モノを売るとき、メーカーは、問屋・小売店を通して商品を販売します。
小売店であれば、その店先をお借りして、小売店のお得意様に商品を売ります。スペースを借り、その店のお客様に販売する形です。
ただし、小売店の店先には、競合品も多く並びます。棚のどこに自社商品を置いてもらうか、これは、小売店の判断です。
自社直販は、昔は、自社ショップ、その後、通販がありました。そして、インターネットの出現により、メーカーが直接、自社サイトを通じてお客様に販売することが可能となりました。自社直販では、ショップなどに来た見込み客に、自社商品を自ら販売できます。
これは、ビル経営にも当てはまります。
空室へのテナント募集に際し、仲介業者に依頼をすることは、仲介業者のお得意様等に自社の空室を紹介してもらうことです。
今は、インターネットの貸ビル検索で、テナント募集中のビルの情報が数多く載っています。
その連絡先には、仲介会社の電話番号などが掲載されています。また、資料の請求先も仲介会社です。
これは、仲介業者に客付を依頼しているからです。
ただ、私が街を歩いていて、常々、「もったいない」と思っていることがあります。
それは、テナント募集中のビルに掲示されている“看板”や“張り紙”の連絡先です。
ほとんどの場合、連絡先は仲介会社です。
ビルを現地で見たうえで問合せしているということは、誘致可能性の高い見込客です。
テナントの誘致は自分では行わず、その物件の集客を長い目で考えて、“方針として仲介会社にお任せ”というのなら、問合せ先を仲介会社としてもよいでしょう。
しかし、そうでないのなら、改善すべきです。
あなたが、その企業から直接連絡を受ければ、比較検討してもらえる遡上に乗る可能性がより高くなります。
しかし、仲介会社に問い合わせがいくと、もしかすると、他のライバルビルを優先的に紹介される可能性がないとはいえません。
また、ビルによっては、複数の仲介会社の看板等が、見た目が悪い状態で掲示されていることがあります。
それを見た人は、どのように受け止めるでしょうか?
“このビルの管理は、雑ではないだろうか”
このように受け止める人がいるのではないでしょうか。
さらに、ビルの第一印象にも影響します。
テナント誘致に仲介会社の協力は必要ですが、自社直販も頭に入れてはいかがでしょうか。