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「不動産ビジネス 成功への道」
-第125回-
バランス感覚。
不動産ビジネスでは、様々な相手との契約があります。
建物を貸すときの建物賃借契約書は代表的なものです。
その他にも、共同開発での共同事業者間の契約、各種業務の委託契約など、多岐にわたります。
各種の契約内容には、それぞれの標準的な様式があっても、個別の契約においては、その契約での個別の事情があります。
また、そもそもの標準的な様式が、どのようなことを前提に作成されたのか、ということもあります。
そのため、契約書を作成するときには、それぞれの立場で、内容を確認し、作成なければ、なりません。
先日、ある地主の方から貸地の返還を受ける際の相談がありました。自宅に隣接する土地の一部を、一時的に貸していました。隣地が売買され、新しい隣地者との話し合いで、借地契約が終わることになりました。その際、塀などの処理の関係を取り決めることとなったのです。
こちら側で、契約書案を作ることになったのですが、こちらの都合だけでは、相手が納得するものはできません。しかし、こちらが達成したい内容は、確実に行ってもらう必要があります。
お互いに何かを行うことを決める契約では、お互いが行うこと、相手にしてもらうことを決めます。
契約の交渉過程では、自分の方に出来るだけ有利に運ぶことを強く主張する方もいます。
しかし、それぞれの目的のために、どこまで主張し、どこで折り合うか。特に、長期的な関係がある場合、自社にとって有利すぎても、どちらかに無理のある内容では、上手くいかないのではないでしょうか。
長い目で見て、お互いに良かったという状態になるためには、バランス感覚が大切だと思います。