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「不動産ビジネス 成功への道」
-第92回-
建物、人間、同じだなと思うこと。
人間と建物は同じだな。
このように思うことがあります。
人間の体を診る医者は、専門分野に分かれます。
内科、外科、眼科、耳鼻科。そのほかにも多くの専門分野があります、脳神経外科、心臓血管外科というものもあります。
さらに、物理的な身体でなく、こころを扱う精神科も。
ビルやマンションなどの建物も、様々な専門分野に分かれます。
設計をする人は、構造、電気、空調、衛生、それに、デザインにあたる意匠。
人間の身体の各部分にあたる実際の内装材、設備などは、専門のメーカーもあります。
人も建物も、餅は餅屋。
専門家に任せることが大切。
しかし、建物を含めた不動産の経営や人間の体で、もっと大切なことがあります。
それは、全体として判断すること。
あなたの体調を決めるのは、あなた自身。
歳をとると、体のどこも問題がない、という人は少ないといいます。
どこか具合が悪くても、活動できるか、できないか。判断をするのは、あなたです。
専門家は、その専門の部分について助言はできますが、決めるのは、あなた。
建物も、築年が古くなると、故障などの不具合が生じます。ある部分の不具合は、その部分の専門家の助言が有効です。必要なら対策も取ってくれます。
古いビルは新築ビルより劣る部分があります。
しかし、他の建物と比べて競争力があるか否かは、建物全体として判断することになります。それは、賃貸マーケットを踏まえ、建物全体として判断する。
つまり、全体の視点で、判断することが重要。
そのためには、テナントに必要とされることの本質は何かを理解することです。
建物は、ほとんどの場合、新しいほど時代に合ったものです。しかし、古いからこそ醸し出す味わいのある建物があります。
これを生かすことが良いこともあります。
ところで、人間の場合、経験が必要なことが多々あります。歳をとるほど、味わいの深い人物になれます。時間が必要な部分ですから、若い人にはできない部分です。これは、建物と人間の大きな違いです。