更新
「不動産ビジネス 成功への道」
-第47回-
隣のビル
先日、ある企業を訪問したときのことです。
その企業は、東京都港区の超高層ビルの29階にあります。
10年ほど前まで、周辺に高い建物は少なく、窓からは、東京タワーや東京湾、さらに、羽田空港に離着陸する飛行機も見え、遠くまで遮るものがなく、良い眺望でした。
ところが、最近では、近隣や周辺に超高層のオフィスビルやマンションが次々と建築され、これまで見えていた景色は大きく変わりました。
近くの高層ビルからは圧迫感を感じます。昔の眺望を知らなければ、そこまで感じることはないのでしょうけれど、以前のことを知っているので、オフィス環境が悪化したと感じました。
さて、ここまでではないにしても、周辺のビルが、あなたが所有する貸ビルのオフィス環境に多少なりとも悪影響を与えることが、このほかにもあります。
様々なことがありますが、たとえば、
・各階のエレベーターホールで、明るくすることなどを目的として壁にガラスをはめこんでいます。そのガラスの向こうに、隣地の建物の壁が見えていますが、その壁が汚れており、エレベーターホールの見栄えを悪くしている。
・道路から建物のエントランス迄のアプローチ部分は、隣地との境界部分にある。隣地との境界はメッシュ状のフェンス(目隠し材はない)であり、隣地のごみ置き場が見える。
・隣のビルに風俗関係の店が入っている。
これらの中には、対策を打ちにくい(又は対策を打てない)ものもありますが、対策を打つことで、悪影響を軽減、またはなくすことができるものがあります。
しかし、私が、最も大きな問題と考えることは、問題があっても、ビルオーナーがそれに気付いていないことです。
ビルを初めて訪問する人、久しぶりに訪問する人は気づくかもしれません。しかし、ビルに頻繁に出入りしていると、その環境に馴染んでしまい、適切な状況判断ができなくなっている可能性があります。
あなたのビルでは、そのようなことはありませんか。